セットアップの内容

コントラバスでセットアップの対象となるものについて、大まかに説明します。

ナット

ナットは小さな部品ですが、演奏しやすさや、音に対して大きな役割を持っています。以下のようなことに注意してセットアップすることによって、弾き易さと音の両方に効果が得られる可能性があります。 ナットの弦間隔を変える場合には、元のナットを再利用できない場合もあります。

 

  • ナットの弦の間隔を適正にする。

ナットの弦の間隔は、弾きやすさだけでなく、音にも影響します。適正な間隔になる様にナットを作ります。古いナットを保存しておけば、万一セットアップが気に入らなかった場合でも、元に戻す事は容易です。

 

  • 弦高を適正にする。

ナット側の弦高は、演奏スタイルにもよりますが、左手の負荷が低くなるよう適正な高さにセットします。弦の溝の深さと形状を適正にする。ナットの溝の形状は、使用する弦に合わせます。また溝の深さが深すぎないように調整します。

指板

主に、指板の反り(キャンバー)の調整を中心として、演奏スタイルに合わせた調整を行います。

また、指板の高音域への指板の延長も行っています。

  • キャンバー(反り)

指板の反りの量は、演奏家のスタイルによるところが大きく、要望は様々ですが、いずれにしても、正確に加工されている事が必要です。

  • 指板の直交方向のR

指板のRは、適切な弦の配置に対して、適切な弦高を得るための重要な要素です。

  • 指板の方向、角度

もともとは、適正な駒の高さに対して、指板(ネック)の角度が決められる訳ですので、必要に応じて、指板(ネック)の角度を調整します。現実には、現状の指板に対して駒を加工せざるを得ない事もあります。

駒・魂柱

駒と魂柱のセットアップは弾き易さと音に直結します。演奏の好みやスタイルに応じたセットアップを行っています。

標準的な値を中心にお好みや演奏スタイルに応じて調整します。指板の形との兼ね合いもありますが、適正な範囲の中では、低めのセッティングを行っています。演奏スタイルに影響のない範囲であれば、左手の負荷が減らせるためです。

 

また、弦の溝の深さと形状を適正にし、可能な場合には弦の間隔を適正で一定の値にします。また、弦の張られている方向に沿って溝の形を整えます。

 

ご要望に応じて、アジャスターの取りつけも行っています。基本的には、正確に加工・取り付けされれば、アジャスターの音への影響は問題にならないと考えています。

 

  • 魂柱

魂柱は、音の傾向や各弦の音量バランスを決める重要なパーツです。良い材料を使う事ももちろんですが、正確にフィットされている事が必要です。加工や立て方に問題があると、楽器内部を傷つける可能性があるためです。

テールピース

  • テールピースのピッチを調整(モードマッチング・モードチューニング)

テールピースのもつ固有の共振ピッチは、楽器の音量、各弦の音量のバランス、弾き易さに影響します。基本的にはテールガットの長さで調整します。テールピースのピッチは弦の種類を変えると変化するため、違うブランドの弦を使うときには、改めて作業を行う必要があります。

 

針金状のテールガットが使用されている場合には、テールピースの振動を妨げないよう、柔軟性のあるワイヤーに交換します。他の材質のテールガットでも、長さが変えられるものであれば対応します。