コントラバスのメンテナンス

工房での定期的なメンテナンス

工房での定期的なメンテナンスは、楽器の状態を良い状態に保つのに有効です。

楽器の状態は徐々に変化するため、調子が悪くなってきていても気づかない事もあります。駒などの位置のずれを修正するだけで、調子が回復する場合もあります。また、剥がれなどを早めに発見する事で、大きな問題になる前に修理する事が可能になります。

 

一年に一度位の頻度でチェックするのが理想ですが、2~3年に一度であっても、十分に意味があります。

 

当方では、お預かりした楽器について記録を残しております。これに基づいてセットアップや楽器の変化についてチェックしメンテナンスを行っております。

 

ご自身による日々のメンテナンス

日々のメンテナンスで最も重要なのは、駒が倒れてくるのを元に戻す事です。

調弦などの操作によって、駒はどうしても指板側に少しずつ倒れてきてしまいます。これを、日々気をつけ、ずれていれば元の位置に戻します。 



 

正しい駒の状態は、一般には、駒のテールピース側の面を楽器の表板に垂直にした状態と言われています。しかし、垂直に合わせられた駒ばかりではなく、其々の駒には、駒を表板に合わせた時の角度があります。つまり、厳密には、この時の角度に戻す必要があります。この角度が不明な場合には、一度専門家を訪れ、状態を確認してもらう必要があります。

駒を動かす時に、弦が駒に食い込んでいて動かないようであれば、無理に動かさず、調弦を少し緩めてから駒を操作しなくてはなりません。

 

駒の角度を維持する事は、以下の点で非常に重要です。

1)鳴りが維持される
2)弦高が維持される
3)駒が反らなく(あるいは反りにくく)なる
4)表板を傷つけない(あるいは傷つけにくい)

1)駒が倒れてくると、多くの場合楽器の反応は窮屈になり、フリーな感じが失われてしまいます。倒れてきた駒を元に戻すだけで、演奏のフィーリングが改善することがあります。駒は徐々に倒れてくるので、変化に気付きにくいことがあります。

2)駒が指板よりに倒れてくると、通常は弦高が高くなります。

3)駒が倒れてくるのを放置していると、駒が反ってしまい、元に戻す事が出来なければ、最終的には交換するしかなくなります。
良い駒は安価ではありませんので、正確にフィットされた良い駒であれば大切にしたいものです。

4)駒が倒れてくると、表板に接している足の一部分に弦のテンションがかかることになり、表板に傷をつけてしまう恐れがあります。