Reid Hudson(リード・ハドソン)の弓について

Reid Hudsonの弓の第一の特徴を上げるとすれば、スティックの強さではないかと思います。乱暴な言い方ですが、スティックの強さは良い弓の最初の条件ではないでしょうか。強いスティックとはすなわち、使われている材料の良さを示します。

 

製作上の特徴は、とにかく丁寧に作られているという事があげられましょう。外からは見えない所であっても、例えば、正確に掘られたクサビ穴は、毛替えをしやすくし、結果的に毛替えのクオリティを高めます。フロッグとスティックの関係も正確で、アジャスタースクリューの穴の角度など、細部まで忍耐強く作られています。 ペルナンブコや黒檀は木の中でも最も固い部類であり、製作には忍耐が求められます。Hudsonに弓製作の手ほどきを受けた時、彼の製作姿勢を見て感銘を受けました。集中力の高さに加え、製作そのものに対する喜びに溢れていました。まさに誠実な製作家であり、 彼の全ての弓はReid Hudson自身の手になるものです。

 

写真のスティックの色が、若い(赤い)事にお気づきになった方も多いと思います。材料の個体差もありますが、ペルナンブコは時代を経て色が濃くなります。削ったばかりの面は赤からオレンジに近い色をしています。ハドソンの話では、古い弓で色の濃い物も、作られた当初はもっと赤かったはずだという事です。もちろん、ニスなどで着色されていなければです。

ハドソンの弓は、リンシードオイルで仕上げられており、ニスによる着色はされていません。材料の持つ色がそのまま見えています。色の濃い弓は、材料が重厚な印象を与えますが、弓の強さ・材料の良さは、一見した色とはまた別なところにあります。

 

ハドソンの弓は丁寧に作られていますが、全て同じに作られる訳ではありません。決まった数値に合わせるというよりは、それらはスティックの材料の個性に基づいています。同じペルナンブコでも、材の特性は様々です。例えば、芯に近い方と樹皮に近い方では特性が異なります。材によって、比重も変わります。こういった事が製作に反映されています。

 

ハドソンの弓は、北米のメジャーオーケストラを始め、広く使われています。もちろん、演奏家のスタイルや好みがありますから、全てのプレーヤにとって良い弓とは限りません。ハドソンも、こう言っていました。「全てのプレーヤ向きの弓は存在しない。気に入らない人に無理に勧めたりはしません。もし、気に入ったらで良いのです。」

 

"It's a safe bet that there is at least one Reid Hudson bass bow, in every major symphony orchestra in North America. " (String Emporium)

 

"I’ve had about a dozen of Reid’s bows" (Joel Quarrington)

 

"A Ferrari is a real drivers car" - "This Hudson bow is a real players bow" (The Contrabass Shoppe)